2013年6月28日金曜日

生後57日目 スキントーンにかぶれる

授乳していて、息子の左頬の、スキントーンが当たっている部分が少しかぶれていることに気がついた。妻も気づいていたそうだ。

気になってきたら放ってはおけない。そもそも頬に貼っているデュオアクティブの位置が口から離れすぎているのが良くないのだ。こうして昨晩、スキントーンもデュオアクティブも、すべて交換することにした。

「ウサギ」の袋の輪ゴムは、左頬からホッツ床のボタンに掛けて保持するためのもので、3/16インチと書いてあるから直径4.7ミリしかない。これをスキントーンの先に付けなくてはならないので、毎度のことながら骨が折れる作業だ。「サル」の袋の輪ゴムは右頬用で、こちらは直径が10ミリ近くある。

ホッツ床を外し、スキントーンとデュオアクティブを全て剥がし(この時点で大泣き)、濡れたガーゼで拭ってやると、やはりスキントーンが直接触れていた部分が少しかぶれている。 デュオアクティブは創傷被覆材だから、傷の上に貼って良いはずだ。かぶれた部分を覆うように、口に近くなるように新しいデュオアクティブを貼りつけた。その後スキントーンも全て交換。

古いデュオアクティブは少し浮いてきていたので、ちょうどいいタイミングだったかもしれない。デュオアクティブの残りはあと半シートなので、次の形成外科受診のときに医大附属病院の売店で追加購入しておこう。

・・・

昨晩は夜中に1回起きただけで、しっかり眠ってくれたらしい。お風呂で測った体重は5.5kg。40g/日のペースか。授乳していると、やたら頭が重く感じる。頭の鉢がでかいのは私の遺伝だと思われる。。。

・・・

Yahoo!知恵袋に、以下のような質問が掲載されている。


13トリソミーの子をもつ母です 現在5ヶ月になります 気管切開をしました ほかに口唇口... - Yahoo!知恵袋
13トリソミーの子をもつ母です
現在5ヶ月になります 気管切開をしました
ほかに口唇口蓋裂があるのですが 担当医から13トリソミーの場合
口唇口蓋裂の手術をやってくれるところが無いといわれました

(多分 心室中間欠損症もあるためかとおもうのですが)
東京で13トリソミーでも口唇口蓋裂の手術をやってくれる病院をご存知の方教えてください
 13トリソミーとは染色体異常の一種。「染色体異常 - Wikipedia」によれば・・・、生後半年以内に50%、1年以内に90%が死亡する、とある。。。

昨晩この質問を見てから、ご両親の気持ちを考えずにはいられなかった。理屈で言えば、心室中隔欠損などの心疾患のある状態で、全身麻酔をかけて数時間の手術を行うのはリスクが大きすぎるのだろう(素人考えだが)。口唇裂の手術は緊急に必要な手術とは言えない。すくなくとも呼吸器や心臓の手術にくらべれば。

しかし・・・

我が子にできるだけのことをしてやりたいというお母さんの気持ちはわかる気がする。そして口唇裂の手術は見た目を劇的に改善することができ、はっきりと治療の成果を実感できるものだ。そんな実感を一つでも得たいと思うのは、無理からぬことではないか・・・。昨晩はそんなことを考えていた。



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2013年6月26日水曜日

生後55日目 妻フラフラ

平日、妻は私がきちんと眠れるようにリビングに布団を引いて息子と寝ているのだが、今朝は3時くらいにフラフラになりながら、私が寝ている寝室に泣きやまない息子を連れてきた。

妻はちょっとくらいのことでは音を上げたりしないので、よほどのことだと感じた。妻は車に乗せて走ろうかと言っていたが、その時外はちょうど大雨。「睡眠不足だし、夜でこの雨だし、危ないよ」と言って思いとどまらせた。
 
息子を預かって授乳したりあやしたりして、何とか寝てくれたのが4時半くらいだったと思う。私はそれからもう一度寝させてもらったのだが、妻によればその後も一度起きたそうだ。

昨日の体重は5.4kgだった。妻の話では午前1時くらいに、3日ぶりのたっぷりウンチをしたそうだ。

いつもは早朝に少し資格の勉強をしたりしているのだが、さすがに今日はできなかった。

・・・

水曜日は比較的に仕事の問い合わせが少ない日だ。気を抜いて寝ないようにしなくては。

・・・

帰宅してすぐに140ccの授乳。最近イッキ飲みである。結構素直に寝てくれたので、楽天で検索して「チュチュベビー 口唇口蓋裂用」その他を注文してみた。届いたらまた使用感などを書いてみたい。



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2013年6月20日木曜日

生後49日目 風疹ワクチンについて

昨晩は最初の1時間だけ静かで、その後はあまり寝てくれなかったようだ。さすがに妻も堪えているみたい。

抱っこすれば多少静かになるものの、体重は既に5.1~5.2kgだから腕も疲れる。夫婦共々、歳だから???

・・・

各報道によれば、今年に入ってからの風疹の患者が1万人を超えたそうだ。これは医療機関から報告された件数だから、報告されなかった件数や症状が無いか軽くて受診しなかった数を含めれば、相当な数の感染者が発生しているはずだ。

風疹の症状を侮ることはできない。成人男性が風疹髄膜脳炎を発症して気管内挿管されるほど重症化した例もある。もちろん、最も問題になっているのはCRS(先天性風疹症候群)だ。妊娠初期の妊婦が風疹に感染することによって、生まれてくる子供に難聴、白内障ほか様々な障害が発生する。

胎児に障害があると診断された経験を持つ親としては、何としてもCRSの発生を減らし、無くしたいというのが偽らざる心情だ。口唇口蓋裂は長期間かかっても治るものだが、CRSの症状である白内障や難聴に関しては完治が難しいことも多い。そして、口唇口蓋裂と違う点がもう一つ。原因がはっきりしていて、社会の一人一人が自覚を持って予防接種を行いさえすれば、確実に防げるということだ。口唇口蓋裂の原因は判明していない。だから、子供が口唇口蓋裂だと分かった時に、あれこれと原因を探して悩む日々がある。そんな経験をしているから、原因も予防法もはっきりしている疾患は、自分の子であれ他人の子であれ、確実に防ぎたいと思う。

大阪府感染情報センターの風疹情報によれば、近年のCRSの発生数は年間0~10件となっている。これを少ないと見る向きもあるかもしれないが、当事者にしてみればこの上ない大問題である。家庭や職場、通勤電車や飲食店で、知らず知らずのうちに感染源となる・・・そんなことを望む人はいないと思う。社会全体で、「万が一にも自分が感染源になってはならない」という気持ちを持って予防接種を受けなくてはならない。

風疹ワクチンについて、接種すると不妊になるといったデマも散見される。妻をはじめ、風疹ワクチンを接種してから妊娠・出産した女性は周りにいくらでもいる。男性不妊になるというデマもあるが、もちろんそんなことはありえない。

妊婦の旦那様は、奥様の風疹抗体価が高いとひと安心してしまい、風疹の予防接種を積極的に受けないということもあると聞く。無人島で一人で暮らしているのでもない限り、「周囲に妊婦がいる人」= 「国民全体」である。これが夫婦だけの問題ではなく、他の妊婦さんに感染させてしまうリスクがあるということに気付いていただきたい。



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2013年6月19日水曜日

生後48日目 見た目を綺麗にする以上のこと

昨日のお風呂の後に着せた服は和風。

体重は5.1kg。手も足もよく動く。妻はお風呂に入れたことがないので、「この子の素裸はあんまり見たことがない」と言う。そんなはずはないのだが(^^;

・・・

本日の午前1時にご本人が口唇口蓋裂であったご婦人からコメントを頂いた。コメントには、ご両親には口唇口蓋裂であることを伝えられていなかったこと、一回だけ小学校の時に口のことで悪口を言われたこと、しかしご本人が「能天気」と仰るように、あまり傷つくことなく成長されたこと・・・が記されていた。

当ブログの性質上、現在妊娠中の方や子育て中の方からコメントを頂くことが多いが、今回のような当事者の方からのコメントは、妊婦や親としての立場とはまた違った角度から、口唇口蓋裂という疾患を見つめ直すきっかけとなる。

私達は子供を育てながら、口唇口蓋裂という疾患に常に向き合っている。ともすると手術を予定通り受けさせること、口や鼻の外見を綺麗にすること、構音/発音を上手にさせること・・・そればかりを追いかけてしまいがちだ。もちろん各々とても重要なことで、親は全力を尽くす。

ただ、障害があろうとなかろうと、親として最も重要なことは、「子供の心を育てる」ことではないだろうか。コメントのご婦人は「能天気」と仰っておられるが、少々のことには動じない安定した心というものは、ご両親をはじめとした周囲の方々が子供の「自尊感情」あるいは「自己肯定感」を大事に育ててこられたことの証左である。

「自尊感情」「自己肯定感」というのは昨日読んだ本からの受け売りだ。受け売りついでに引用しよう。
自尊感情が高い人とは、ちょっとやそっとバカにされただけでは揺らがない、強い自分を持っている人のことです。少々のことではくじけず、「自分ならできるはず」と、何事にも粘り強く取り組むことができます。自分を大切に思う気持ちが豊かな分、他人のことも同じように大切にすることもできます。自尊感情は、少々のことには動じず堂々と人生を歩んでいくうえで欠かせない、心の土台みたいなものだといえるでしょう。それさえあれば、どんな世の中だって渡り歩いていける、究極の無形財産です。「生きる力」の源泉です。-「忙しいビジネスマンのための3分間育児」より
息子には少なくとも、外見で人を馬鹿にするような小さな人間にはなってほしくないものだ。コメントにもあるように愛情たっぷりに、そして正しいベクトルで育てていきたい。

・・・

いつものように帰りの電車で妻にSMSを送ったら、娘がムカデに噛まれた(!)ので病院に来ていると返信。どうやら学校で噛まれたらしい。ジメジメしてくると出てくるからなぁ。脚の多い虫が心底苦手な娘だから、結構トラウマになったのではないのかなぁ。。。

・・・

帰ってきた娘は案外に平気そうだった。ムカデは小さくて痛みもあまりなかったので、普通に帰宅していたのだが、 妻が念のため連れていったらしい。

これが家で大きなムカデに噛まれていたら、おそらく今頃大騒ぎでバルサンでも焚いていたかもしれないな。




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2013年6月16日日曜日

生後45日目 まず子供ではなく奥さんを気遣うこと

昨晩は8時に眠たくてたまらなくなり、息子を風呂に入れないまま、「1時間だけ・・・」と言ってそのまま午前4時まで眠ってしまった。出産内祝いの発送手配や、手渡しするのにグルグル回って疲れていたのかもしれない。妻は私を気遣ってかリビングで息子と寝て授乳もしていたはずだが、私を起こすことはなかった。ありがとう。。。

・・・

昨日の内祝配りが終わったあと、車で15分の実家に寄って、検診の結果問題がなかったことを報告。私の母が授乳してくれたり、あやしてくれたり。「お義母さんが嬉しそうなのを見ると、なんだか『私、よくやった~』って感じ。。。生まれるまで色々大変だったけど、それもいい思い出」とは妻の言葉だ。稽留流産のあと、不妊治療に通っていることを私が口を滑らせて母に言ってしまったこともある。その場に妻もいて、母に見えないようにしながら少し涙ぐんでいた。・・・今ではそれも思い出の一つだが、あの時の私は気遣いが足りなかった。





・・・

仕事が終わって電車に乗るとき、いつも妻にSMSを送るようにしている。これは結婚してからずっと、ほぼ毎日送っている。息子が生まれて退院してからも勿論送っていたのだが、退院から10日くらいで、SMSの内容が息子の様子を聞くものばかりになっていることに気がついた。

もちろん妻は「元気だったよ~」とか「ちゃんとウンチ出ました!」などと返してくれるのだが、私から妻に送るメッセージはこれではいけないと思ったのだ。だから、電車に乗った時のSMSでは、「妻の」体調などを聞く、息子が生まれる前の内容に戻した。

乳児を子育て中のお母さんは丸一日子どもと向き合い、社会との繋がりが希薄になって孤立感を味わうことが多い。旦那さんとのコミュニケーションだけが、鬱憤のはけ口になることが多い。ならば、旦那さんは機会をとらえて奥さんが話しやすいきっかけや雰囲気を作るようにするべきだ。旦那さんが口を開けば子供のことばかりでは、奥さんの気持ちは爆発するか落ち込むかのどちらかになってしまう。中には旦那さんの気遣いがなくても関係なく元気な奥さんもあるかもしれないが・・・

・・・

ほぼ1日中雨だった昨日とはうってかわって、今日は最高気温が33~34度にまで上昇するらしい。妻と息子の調子にもよるが、どこかに美味しいものでも食べに行けたらいいな。



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2013年6月15日土曜日

生後44日目 助産師さんからのメッセージ

息子を見ていると、最近少し笑顔の表情が出てきたかなと思う。昨晩、息子と遊んでいた娘もそう言っていた。テーピングで頬を引っ張っているから、ニッコリするにも筋力が必要だと思うけれど。

妻は昨日の健診と深夜の授乳で疲れたのか、7時を過ぎても息子と一緒に眠っている。お弁当もないのだから、ゆっくりすればいい・・・と思っていたら、娘が起きている。聞いてみると高校で土曜講座なるものがあるらしく、まる1日学校へ行くんだそうだ。さっき自分でパンを焼いて食べ、お昼は何か買うらしい。まあ、たまにはお昼に好きなものを買って食べるのもいいだろう。それにしても受験生は大変だなぁ。自分の時のことは忘れてしまったが、そういえば私達の頃は土曜日が休みじゃなかったか。

・・・

昨日の健診ではお会いできなかったのだが、息子を取り上げて頂いた助産師さんに長文のメッセージを頂いた(息子や妻の写真は、途中経過の報告時に同僚の看護師さんにお渡していた)。文面は個人情報などに配慮して一部編集している。

息子さん、本当にかわいく成長されていますね。誕生された時も天使のかわいさでしたが。順調に大きく育っていらっしゃるようで嬉しく顔がほころびました。
奥さまもお元気そうですね。

当院は出産数も多く、口唇口蓋裂を持って産まれる赤ちゃんは少なくはありません。しかし、専門の形成外科の医師や治療体制がなく、医大附属病院へご紹介させていただくことが常です。
そのため、当院を退院してからの様子はあまり把握出来ていないところが実です。

御出産の際、御主人様やご家族の皆様は「かわいい」と、お迎えになられていらっしゃいました。しかし、はじめて対面した、口唇裂のある我が子、受け入れるのに産後時間を要す方もいらっしゃいます。

また、医大附属病院へ紹介となるまでに、当院で十分なケアができているかスタッフ各々考えることもよくあります。今回の御出産を通して、ケアの在り様を今一度見直すきっかけにさせて頂きたいと思います。
この助産師さんはまだ20代半ばだが、分娩にあたっての準備、妊婦のケア、分娩介助の手際、他のスタッフへの指示など、あらゆる点においてプロフェッショナリズムを感じる優秀な方だ。しかも相当な美人さんで、そのお姿を紹介できないのが残念でならないが・・・それは置いといて・・・

これから口唇口蓋裂のお子さんを出産予定のお母様が不安に感じていることの一つは、生まれてくる子を受け入れることができるかどうかということではないだろうか。私達の場合は流産や不妊治療、激しい悪阻といった数々のハードルを乗り越えてきた経緯もあり、とにかく生きて生まれてきたくれたことが嬉しく、そして息子が可愛くてならなかった。人によって、受け入れるのにかかる時間は違うだろう。しかし、必ず「産んでよかった!」と思える瞬間が、しばらくすればやってくる。妊娠中のお母さんには、気持ちをゆったりと保って、ストレスのないマタニティライフを送っていただきたい。

テープ貼ってるとタレ目になっちゃうね~(^^;



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2013年6月14日金曜日

生後43日目 1箇月健診/凍結受精卵保存終了

午後から1箇月健診のために、出産した病院へ行くことになっているが、その病院へ行くのには、もう一つ目的がある。不妊治療でお世話になった先生にお礼を申し上げ、凍結受精卵の保存終了をお願いすることだ。

以前の記事にも書いたが、 長い不妊治療を経て息子を授かった私達としては、受精卵の保存を終了してしまうことには心理的な抵抗が大きい。あの時の受精卵の一つが偶然に選ばれて、こうして息子として授かった。残りの、今凍結保存されている受精卵も、ほとんど違いはなかった。



しかし、私達の年齢と妊娠中に激しい悪阻に苦しむ妻の体質を考えれば、その受精卵をもう一度移植することは現実的ではない。息子をしっかり育てていくという覚悟も込めて、今日保存終了をお願いするつもりだ。学術的な研究に使用されるのであれば同意しようと思う。そして、この日を覚えておこう。

出産後に不妊治療の先生にお会いする場合には、周囲に細心の注意を払わなければならない。不妊治療中の方々の隣で赤ちゃんを抱いて待つなどということは、絶対にしてはならない。不妊治療中の女性は、様々な不安と必死で闘いながら辛い治療に耐え、長い待ち時間をひたすら待っているのだ。

私が1箇月健診について行くのには、妻一人で不妊治療の先生にお会いできるようにするため、というのが大きな理由である。妻がIVFで待っているあいだ、私が離れた場所で息子の面倒を見る。これなら他の不妊治療中の女性に不快感を与えずに済む。

妻は昨晩、IVFの受付で出すメッセージを大きな付箋紙に書いていた。内容は「凍結受精卵の保存について、先生とお話したい」ということだ。これは、受付で声に出すと不妊治療中の女性に聞こえてしまうかもしれないから、という妻の配慮である。彼女はこの不妊外来でも看護師として働いていたし、患者としても何年も通っていた。だから医療者側の事情も患者の気持ちも熟知している。息子の育児が一段落したら、また看護師として経験を活かしてもらいたい。

・・・

午後1時、病院の最寄りの駅まで車で迎えに来てくれた妻と合流。健診は朝からだったが、不妊外来や産科の検査は午後になるので、検査の途中で外出して迎えに来てくれた。ところが車中で聞いてみると、既に不妊外来も産科も終わっているという。偶然なのか、どちらも非常に早く順番が回ってきたらしい。では不妊外来にはどうやって行ったのかと聞くと、知り合いのベテラン看護師さんがおられて、あやしてもらっていたらしい。

1箇月健診で計測してもらったところ、体重は4710gであった。小児科の先生にもしっかり発達していると太鼓判を押してもらい、まずはひと安心である。予防接種については、やはり2箇月の誕生日からが原則だと言われた。まあこれは仕方ないところか。





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2013年6月12日水曜日

生後41日目 形成外科受診日

今日は2回目の形成外科受診日だ。実際には形成外科・耳鼻科・リハビリ科を大学附属病院内でぐるぐる回る、1日がかりの受診になる。

息子の体重は4.7kgになり、このペースでいけばあと1ヶ月強で最初の目標である口唇裂の手術が可能な6kgに到達しそうだ。もちろん手術の条件は体重ばかりではなく、矯正歯科での今までの治療成果にもよるだろう。今日の受診で手術の日程がある程度はっきりすれば良いかな~という程度に考えている。



・・・
今日の受診では、形成外科→言語聴覚療法→リハビリ→耳鼻科と回ったが、前回よりは短時間で済ませることができた。

形成外科では、おおよその口唇裂手術の時期が8月中旬~下旬、もしかしたら9月初旬ということになった。これでいくつか予防接種ができる(手術前1ヶ月までに受けるのが条件)。息子は両側の口唇裂だが、一回の手術で左右とも縫合する。手術時間は正味3時間くらい、とのこと。

言語聴覚療法では、言語聴覚士の方からの、口唇裂手術に備えて抑制筒や細口乳首での授乳についての指導。

リハビリでは現状の確認で、体重を4.7kgと伝えたら「・・・出生時から1.5kg? 1箇月ですよね?」とちょっと驚かれた(実際は1箇月と9日)。体幹・四肢の状態に問題がないこと、泣き声も大きな声で高音が良く出ていて、くぐもった感じがないことを褒めてもらえた。もう少しで首が座りそう、とも言われた。

耳鼻科は鼓膜の状態の確認のみ、約2分で終了。

ちなみに子ども医療の補助のおかげで会計は0円だった。売店で口蓋裂用の乳首を2個買い足して病院を出た。

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帰り道に手芸店に寄って、やっとこさ抑制筒の材料を購入した。妻はあまり裁縫が得意ではないので延び延びになっていたのだが、そろそろ年貢の納め時のようだ。ボタン付け以外は全くできない私よりはマシだと思うが。。。



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2013年6月10日月曜日

生後39日目 子供に障害があったから気付かされたこと

5時半に起きると、妻は起きて朝食とお弁当の準備をしていた。お茶の準備をしながら「夜中は大変だった?」と聞いたら、「ん~、5回くらい起きたかなぁ。でも、可愛いんだなぁ」という答だった。


私が起きてきて15分くらいでフニャフニャ言い始めた。ミルクを与えてオムツを替えたら機嫌が良くなったのでこの記事を書いている。

・・・

昨晩は早めに就寝したので、その後に頂いたコメントを拝見したのは先程だったのだが、こちらもありがたいお言葉だった。

きっとこの疾患を持って生まれてきてくれなかったら、私は何も知らずに生きてきたでしょう。
この子のおかげで、色々気付いたことがあるような気がして、感謝感謝の毎日です。
もちろん、生まれてくる子が健康で何の問題もないことを祈らない親はいない。しかし、障害を持つ赤ちゃんはある割合で生まれてくる。口唇口蓋裂なら、日本では500分の1の確率だ。

障害を持った子が生まれれば、両親は「この子が元気に育つように」と、あらゆる努力を惜しまずに子育てや治療に骨身を削る。傍から見れば「かわいそう、大変ねぇ」ということになるのだろう。だが、コメントにもあるように、障害を持った子供の育児は、育てる親にたくさんのことを与えてくれる。

たとえばこのブログである。口唇口蓋裂のお子さんを出産される方の参考になればと始めたこと自体、息子に何の障害もなければ考えもしなかったことだ。ブログを始めた結果、少しずつ経験者の方からのコメントを頂くようになり、ほんの少しだろうが、これから口唇口蓋裂のお子さんを育てる方の力にもなれているのではないかと感じる。誰かの心の支えになることほど、人生を充実させることが他にあるだろうか。

今日は、障害を持って生まれた息子の育児を通して気づけたことを徒然に記してみようと思う。

・・・

子供の症状や周囲の環境によって程度の差は大きいが、障害を持って生まれた子の育児には、より多くの時間と労力がかかる。それは母親だけ、父親だけでこなすには困難なことだ(シングルマザー、シングルファーザーの方で立派に障害児の育児をされている方はおられる)。 自然と夫婦で話し合い、協力しあうようになる。より密にコミュニケーションをとらなければならないから、子供を通してお互いをさらに理解できるようになっていく。例えば育児における得手不得手。

妻は私よりも息子の変化に敏感だ。ミルクの飲み方、便の状態、体温、湿疹の数や場所・・・。それを時系列でほぼ記憶しているし、少しでも普段と違えば対処するか私に相談してくる。だが、ホッツ床の脱着やテープ貼りに関しては苦手だ。だからこれは私の役目である。

・・・

同じ障害のお子さんを持つ親御さんと面識が持てたことも、私達にとってかけがえのないことだ。医大附属病院や矯正歯科の待合で、話しかけたり話しかけられたりしてきた。今まで全く接点のなかった方と気持ちを共有し、お互いを励まし合う。お互いに「頑張りましょう」と言い合って別れたあとはとても清々しい気持ちになる。

・・・

子供を授かり、育てていくことができるということが、どんなに奇跡的で素晴らしいことなのかということを気づかせてくれたのは息子である。稽留流産から始まる不妊治療の度重なる失敗から、奇跡的な着床・妊娠を経て、口唇口蓋裂はあるものの、元気に誕生してきてくれた。「普通にミルクが飲める」ということがどれ程すごいことで有難いことなのかも教えてくれた。

今までは一人っ子でちょっとワガママだったお姉ちゃん(18歳!)も、受験勉強の合間に授乳やテープ貼りを手伝ってくれるようになったし、妻と母親(私から見て義母)のギクシャク感も少し和らいできたように感じるのだ。

・・・

誕生石と名前を入れたベビーリングを受け取りに行った宝石店で、担当の方が、「何だか、赤ちゃんが生まれたことで、全部がうまく巡ってますよね!」と言ってくれた。本当にそう思う。



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2013年6月7日金曜日

生後36日目 胎児が口唇口蓋裂と診断された時、妊婦の気持ち

昨晩、妻にあらためて聞いてみたのは、エコーで息子の口唇口蓋裂が分かった時の気持ちについて。

・・・



「そりゃあショックだったわ。私はあなたが付いててくれたからまだ良かったけど、一人で聞いてたら泣いてたかも」

「悪阻が酷かったから付き添ってたけど、それがなかったら一人で聞いてたかもしれないね」

「それで、やっぱり聞きたいのは『どうして?』ってこと。私は看護師だからまだ知識あるほうだと思うけど、それでもね・・・。一般の妊婦さんだったらすごく気に病むと思う」

「(口唇口蓋裂の)原因は不明なんだけどね」

「うん・・・。『悪阻で栄養がとれなかったから?』とか先生に聞いちゃったもんね」

「先生は『関係ない。確率の問題』って即答だったね」

「それを聞いて少しは気が楽になったけど、それでも『申し訳ない』とか思っちゃうの」

「謝ることは何もないんだけどね」

「でもね、エコーでどんどん大きくなるこの子のお顔を見てたら、すごく可愛いと思えてきたの。今はもっと可愛いけど」

・・・

妻が言うように、いくら原因不明で確率の問題だと説明されても、妊婦さんは、何か自分が悪かったのではないかと自分を責めてしまうものだ。それはある意味自然な反応と言えるかもしれない。その後・・・少し落ち着いたら、旦那様と一緒にしっかり心身の準備をしていただきたい。口唇口蓋裂は、長期間かかるものの、必ず治る病気だから。

・・・

今日は午後から矯正歯科の受診だ。私の仕事の方は最近スムーズだから、午後半休を取っても特に問題はない。有給休暇の残日数は気になるが。

・・・

矯正歯科では、左の鼻の穴に入れる鼻ステントが調整された。

 
確かに左右のバランスが整えられたような気がする。

それから、左右のテープをもう少し長くして、耳の前あたりから貼るように指導を受けた。頬のシートから全部やり直すので、これは今晩のお風呂の後にやろうと思う。

偶然、前々回の受診でお話を聞けたご夫妻が息子さんと来ておられ、またお話をすることができた。今回も御主人がお休みを取って、高速で1時間半かけてこられている。息子さんの綺麗になったお口を見ると、とても勇気づけられる。



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2013年6月1日土曜日

生後30日目 時間と気持ちを共有する

翌日が休みなので、妻と息子と一緒に川の字で寝た。口元を触らないようにミトンを被せた息子の手がちょこちょこと私の顔に当たる。面白いのでボクシングのミット打ちみたいにして遊んでたら、午前1時がきてしまった(^^;;;。久しぶりの深夜の調乳・授乳。さすがにその後は午前5時までしっかり寝てくれた。



・・・

昨晩妻と会話した中に、娘の誕生時の話題があった。 妻は私とは再婚であり、娘は前夫との間の子だ。娘は今18歳で、彼女が生まれてすぐに離婚して妻はシングルマザーとなった。妻は離婚を妊娠中から決めていたが、前夫に父親としての自覚だけは持ってもらおうと、出産時には分娩室で立ち会いをしてもらったそうだ。

前夫が分娩室に入ると、産科の先生も意外そうな顔をしたそうだ。離婚の事情と前夫の性格を知る人には、およそ立ち会いをするような人物には見えなかったらしい。

18年前のそのときは初産だし、娘は出生時に3800gもあったので、かなり大変なお産だったようだ。ところがやっと産み終えたとき、前夫がお産の様子を見て言った言葉は小声で「気持ち悪い・・・」だったそうだ。離婚が決まっていたとはいえ、赤ちゃんの誕生、しかも血の繋がった我が子の誕生を目の当たりにして「気持ち悪い」とは・・・?

前夫については、とても未熟な人だったのだろうと妻は振り返る。話を聞けば典型的なマザコン。家は別だったが、前夫の実家から車で数分で、帰宅時にはまず実家の母のところに立ち寄って食事をしてから帰る。その母は息子が結婚してからも前夫にあれこれと世話を焼き、前夫から妻への些細な不満を聞いては妻にネチネチと嫌味を言う、昼ドラ並みのドロドロ状態だったそうだ。

もちろん前夫と私は面識がなく、妻の言うことだけを聞いているので、実際はどれほどだったのかはわからない。今となってはどうでもいいことだが。

 ・・・

妻が息子を産んでくれた時、それまで彼女が積み上げてきた努力と苦労(稽留流産、不妊治療、重度の悪阻・・・)が思い出され、その妻が産んだ息子が元気に産声をあげた姿を見た時には、不覚にも涙が止まらなかった。今、これを書くためにその時のことを思い出しただけで目頭が熱くなる。

「あなたは○くんが生まれた時、一緒に泣いてくれた」

妻はその記憶が宝物の一つだと言う。

私は、流産、不妊治療、悪阻・・・その他諸々の困難を妻と一緒に乗り越えてきたからこそ、息子の誕生に心から感動できたのだろうと思う。それはこれからの育児にしても同じだ。あくまでも妻に寄り添い、時間と気持ちを共有しながら育てていく。