2013年6月1日土曜日

生後30日目 時間と気持ちを共有する

翌日が休みなので、妻と息子と一緒に川の字で寝た。口元を触らないようにミトンを被せた息子の手がちょこちょこと私の顔に当たる。面白いのでボクシングのミット打ちみたいにして遊んでたら、午前1時がきてしまった(^^;;;。久しぶりの深夜の調乳・授乳。さすがにその後は午前5時までしっかり寝てくれた。



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昨晩妻と会話した中に、娘の誕生時の話題があった。 妻は私とは再婚であり、娘は前夫との間の子だ。娘は今18歳で、彼女が生まれてすぐに離婚して妻はシングルマザーとなった。妻は離婚を妊娠中から決めていたが、前夫に父親としての自覚だけは持ってもらおうと、出産時には分娩室で立ち会いをしてもらったそうだ。

前夫が分娩室に入ると、産科の先生も意外そうな顔をしたそうだ。離婚の事情と前夫の性格を知る人には、およそ立ち会いをするような人物には見えなかったらしい。

18年前のそのときは初産だし、娘は出生時に3800gもあったので、かなり大変なお産だったようだ。ところがやっと産み終えたとき、前夫がお産の様子を見て言った言葉は小声で「気持ち悪い・・・」だったそうだ。離婚が決まっていたとはいえ、赤ちゃんの誕生、しかも血の繋がった我が子の誕生を目の当たりにして「気持ち悪い」とは・・・?

前夫については、とても未熟な人だったのだろうと妻は振り返る。話を聞けば典型的なマザコン。家は別だったが、前夫の実家から車で数分で、帰宅時にはまず実家の母のところに立ち寄って食事をしてから帰る。その母は息子が結婚してからも前夫にあれこれと世話を焼き、前夫から妻への些細な不満を聞いては妻にネチネチと嫌味を言う、昼ドラ並みのドロドロ状態だったそうだ。

もちろん前夫と私は面識がなく、妻の言うことだけを聞いているので、実際はどれほどだったのかはわからない。今となってはどうでもいいことだが。

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妻が息子を産んでくれた時、それまで彼女が積み上げてきた努力と苦労(稽留流産、不妊治療、重度の悪阻・・・)が思い出され、その妻が産んだ息子が元気に産声をあげた姿を見た時には、不覚にも涙が止まらなかった。今、これを書くためにその時のことを思い出しただけで目頭が熱くなる。

「あなたは○くんが生まれた時、一緒に泣いてくれた」

妻はその記憶が宝物の一つだと言う。

私は、流産、不妊治療、悪阻・・・その他諸々の困難を妻と一緒に乗り越えてきたからこそ、息子の誕生に心から感動できたのだろうと思う。それはこれからの育児にしても同じだ。あくまでも妻に寄り添い、時間と気持ちを共有しながら育てていく。


4 件のコメント:

  1. 新しい命が生まれ、無事に世に出て来る時、その命の大切さを感じられる人間は、自分の人生を頑張って生きてきた人だと思います。 自分は子供を2人授かりましたが、日本とフランスを言う超長距離で育つのを、遠くからしか見ていません。しかし長男を水難事故で亡くしてから、ライフセービングを30代から始め、その間に人の命の重さが地球より重いと言う事を知ってからは、命にかかわる事には、自然と涙が溢れます。 独立できない若者が多くなっているのは、架空の世界での遊びからではないかと感じる事もあります。 これを読むたびにお幸せなんだなと感じさせてもらっています。
    700km東のお爺ちゃんより。

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    1. おはようございます。昨日は友人宅でバーベキューをしてて、普段飲まないビールを3缶飲んだら結構堪えました。。。
      ウチの乳児を除いても子供だけで10人くらいいたので、必要以上に賑やかで・・・(^^;;;
      子供達もそのお母さん達も、可愛い可愛いと言って息子を抱いたりあやしたりしてくれました。女の子は特に赤ちゃんに興味があるのか、息子をぐるっと取り囲んでました。
      こうして関わりを持つと、他所のお子さんでも大事にしなきゃなぁと思います。人に優しくできるのは、それだけ関わりを持ってる人なんだろうなと思いますね。

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  2. こんばんは。はじめまして。

    6年の不妊治療の末 授かった娘(現在5才)は片側不完全唇裂、その後授かった息子(現在2才)は両側完全口唇口蓋裂の 30代後半の母親です。

    ブログ村からたどり着き、最初から読ませて頂きました。

    誕生から1ヶ月、奥様の体調いかがですか?
    息子さんは元気にたくさん飲まれているようですね(^^)
    ご出産本当におめでとうございます。

    可愛い息子さん、2年前の我が子と重なり懐かしく思っています。

    本当に素敵なご家族…我が家の旦那はとても子煩悩で、育児に大変協力的ですが、息子のホッツの着脱やテープの貼り替えは100%私の担当でした(笑)。
    子どもたちが少し大きくなり、次の治療への過渡期であるため、今は通院も少ないですが、ここに至るまで同じ病気の子どもを持つお母さんとお話できる機会がほぼありませんでした。

    もしも、私や子どもたちの経験や思いがほんの少しでもお役に立てることができたらとコメントさせて頂きました。

    夜中の授乳もまだまだ続きますので、どうぞ皆さんお身体にお気をつけくださいませ。
    長々失礼いたしました。

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    1. おはようございます。
      一姫二太郎で、理想的ですね! ウチも18離れた一姫二太郎ですが・・・(^^;;;;

      妻はもうバリバリ元気です。どんぶり飯を何杯も食べますし、肉でも野菜でも私の倍ほど食べてます。

      テープ貼替え・ホッツ床の着脱は、苦手な人にはハードルが高いみたいですね。ウチのもできるだけ避けてます。今までテープの貼替えを1回やっただけだと思います。まあできる人がやればいいですよね。

      様々な方にこのブログにコメントを頂いたり、Twitterで話しかけて頂いたりしておりますと、実際にはお会いしていませんが、とても心強く感じております。
      胎児が同じ病気と診断された妊娠中の方ともこのブログやTwitterでつながりを持つことができました。もし御自身ができる形で話しかけてくだされば、どれほど助けになるかわかりません。拙ブログがそのきっかけになれば至幸です。

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