2013年7月31日水曜日

生後90日目 不妊治療助成の年齢制限

一昨日くらいのニュースになるが、厚生労働省の検討会が不妊治療助成制度について、43歳未満という年齢制限を設けるべきだという意見をまとめた。

最近まで40歳未満という線で意見集約が進んでいたと記憶しているが、40歳以上で不妊治療をしている人も多く、 43歳未満という意見になったらしい。

現状の助成制度は
  • 年齢制限無し
  • 5年間で10回まで(1年目は年3回、2年目以後は年2回)
  • 1回15万円まで
となっている。 不妊治療の助成件数は昨年度は年間13万件、200億円が支出されている。このうちの1件は私達への助成だ。厚生労働省の検討資料によれば、43歳では約95%が妊娠できない、とある。

不妊治療を始めようとしている方の中には、少し誤解をされている人も少なからずおられる。不妊治療をすればすぐに妊娠して、赤ちゃんが産めるものだ・・・とか。若い方ならばそういうこともあるかもしれないが、40歳をすぎるとかなり難しい。何度も何度も不妊治療に通うことになる。排卵のためのホルモン剤注射では体調を崩すし、病院での待ち時間は長い。

不妊治療の精神的負担も見逃せない。挑戦と失敗を繰り返していると、どんどん追い詰められていく。妻は、「不妊治療してない期間というか・・・、あの場所(不妊治療する病院)から離れている時間が必要なの」と、ニュースを見ながら口にしていた。休息期間は精神的に必要だが、その間にも年齢を重ねてしまう。だから焦ってしまって気が休まる時がない。

不妊治療は妊娠するまでの問題ではない。妊娠すれば、今度は流産の危険との戦いになる。一度自然妊娠した胎児の稽留流産を経験した私達の場合、安定期に入ってからも気が気ではなかった。流産した女性の心の傷は中途半端なものではない。43歳以上では、その流産の確率が50%を超える。

ちなみに海外では、助成制限はイギリスとフランスも43歳未満で、ドイツでは41歳未満である。

ともかく、妊娠・出産を希望する若い女性には、この助成制限の年齢をよく意識してほしい。

・・・

 昨日の体重は6.7kg。夜中は4時くらいに一度起きたくらい。今日は足りなくなってきたデュオアクティブを入手するために、妻が医大附属病院に行くことになっている。

・・・

妻は予定どおり、医大附属病院に行って超簡単な診察の後、デュオアクティブを2枚処方してもらっていた。スキントーンは売店で購入。

今日はTwitterでのフォロワーさんから御出産のツィートがあり、ほっとしたところだ。胎児診断でお子さんが口唇口蓋裂ということは事前に判っておられた。
やっと会えた赤ちゃんはほんとに可愛くて幸せです
本当に良かった。今日は珍しく飲もうかな。直接お会いしたことはないけれど、御出産をお祝いして、乾杯!!



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2013年7月30日火曜日

生後89日目 ホッツ床を吐き出してしまうときには

哺乳時の潰瘍発生を防ぎ顎の発達を促すホッツ床だが、装着を嫌がってしまう赤ちゃんも多い。幸いにして息子の場合は着けても泣き叫ぶことも、吐き出してしまうことも、今のところはない。

装着を嫌がる赤ちゃんの中には、ホッツ床なしで哺乳できる子も多い。本人にしてみれば不要なものなので、器用な子はホッツ床を吐き出してしまうらしい。

ホッツ床なしで哺乳していれば、口の中に潰瘍ができてしまう可能性が高い。息子も産科の病院を退院してホッツ床を着けるまですこし日数があったので、かなり潰瘍ができてしまった。

ホッツ床を吐き出してしまう赤ちゃんには、ホッツ床を「着けているとミルクがより飲みやすい」と思ってもらうことが必要。だから、まずミルクの授乳のタイミングでホッツ床を着けて飲んでもらう。途中で嫌がってしまうかもしれないから、全部飲むまで着けていられなくてもいい。とにかく、ホッツ床を着けてミルクを飲むということに少しずつでも慣れてもらうことだ。

ホッツ床は潰瘍予防のためだけのものではなく、裂部分の周囲の成長を促したり、舌の異常運動を抑制したりするなど、多くの効果を期待して装着するものだ。したがって、できるだけ長時間装着しておきたい。理想的には1日1回の洗浄時以外は装着しておくことだ。

ミルクの時は着けていても普段は吐き出してしまうという場合、市販の入れ歯安定剤を使用して固定するという方法もある。ただし裂部分に入れ歯安定剤が入り込んでしまったり、長時間使用した場合の衛生的な問題も考えられるので、使用にあたっては医師の指導を仰ぐこと。

・・・

昨晩の体重は6.7kg。肌荒れを防ぐため、可能な限りデュオアクティブを小さく切っているが、小さくすると剥がれやすい。段々器用になって、ミトンを着けていても上手く剥がしてしまうようだ。抑制筒を使うという手もあるだろうが、今の時期は暑いしなぁ。。。



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2013年7月29日月曜日

生後88日目 お母さんへのメッセージ:その後

昨日のうちに、早くもこのようなコメントを頂いた。

先ほどですが、曾祖母のもとへお孫さんから電話があり、「正月には会いに連れて帰る」と嬉しい連絡が入ったそうです。
息子のベビー用品もお礼を言っていたとの事でわざわざ教えてくれました。

真相はわかりません。でも、このブログを読んだのではないのかな?と思っています。

生まれてすぐは実家にも戻らず連絡しても繋がらなかったそうです。赤ちゃんは暑さのためか、ミルクがあまり飲めなかったのか脱水で入院したそうです。
今は退院でき、サポートを受ける気持ちになっているようです。

本当に良かったと思います。
 昨日の記事には、口唇口蓋裂のお子さんを持つお母様達から、温かいコメントを頂いた。辛い経験を乗り越えてきた皆さんの言葉が、このお母さんに届いたものと思っている。皆さんの言葉がとても尊く響き、このブログのすべての記事を読むよりも多くのことが伝わるのではないかと思う。

・・・

今朝の息子はミルクの飲み方も速く、オムツを替えたら超ゴキゲン。これはもしかして・・・と思っていたら、案の定きばり始めた。 のの字マッサージをして数分後に大量のウンチ。とてもよろしい(^^)

 昨晩のことなのでウンチをする前になるが、お風呂で計った体重は6.8kgだった。


 一昨日、ドラッグストアで「メンソレータムAD こどもソフト」を入手した。痒み止め製品の棚の、メンソレータムADの通常品の付近を探したが見つからず、あきらめかけた時に、1mくらい離れた棚の隅っこにおいてあるのを発見。

メンソレータムADが軟膏タイプなのに対して、「こどもソフト」は日焼け止めのような乳液タイプ。リドカインが含まれておらず、他の各成分も少なめになっているので子供の敏感な肌にもよさそうだ。

お風呂で痒がる部分を重点的に洗い、風呂あがりに薄く塗ってやったところ、ミトンの手で荒れた肌の周辺を擦ろうとしていた動きがなくなった。これは結構使えそうだ。

・・・

夕方駅から歩いていると、抱っこ紐で息子を抱えた妻がまた向こうから歩いてきた。息子の顔のデュオアクティブが剥がれかけていたので、家に帰ってミルクを1回分飲ませたあとで全て剥がし、ホッツ床も外しておいた。頬は綺麗に拭いて、「こどもソフト」を薄く塗って、今は熟睡中。



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2013年7月28日日曜日

生後87日目 見知らぬお母さんへ

この内容の記事を書くのには迷いがあった。伝えたいことがその方へ伝わるかどうかもよくわからないし、これから口唇口蓋裂のお子さんを出産されようとしている多くの方に不安を与えるのではないかとも思うからだ。しかし、赤ちゃんのためにも、その方に少しでも元気になっていただきたいと思うから、あえて書かせていただく。

この記事を書くきっかけは昨日の記事への、こちらのコメントだ。
実家の近所のお孫さんが口唇口蓋裂があるようです。
先日その子の曾祖母が私の実家に遊びに来られ「下の孫に兎口の子が生まれたようだ。生まれるま で分からなかったもんだから、両家の祖父母は驚いて嫁さんを責めたらしい。嫁さんは病んでしまって自分はまだ一度もひ孫を見せてもらっていない。」と寂し そうに話しておられました。昔から兎口は生まれるし、純粋に可愛いひ孫に逢いたい気持ちだそうです。
何ということか。お嫁さんの心情を思うと胸が痛む。そのお嫁さんに向けて、届くかどうかわからないが、私なりのメッセージを書く。

お母さんへ

御出産おめでとうございます。生まれたのは男の子でしょうか、女の子でしょうか。お乳は飲めていますか。 口の中に潰瘍はできなかったでしょうか。ホッツ床は着けられたでしょうか。元気に泣きますか。体重は増えていますか。

最初のお子さんでしょうか。それとも弟くんか妹ちゃんでしょうか。生まれるのを楽しみにされていたでしょう。胎動を感じては喜び、お腹の赤ちゃんに早く会いたいねと語りかけていましたよね。ベビー服やベビーカーやチャイルドシートを準備して、それを使うところをイメージしたり、名前を御主人と何日も考えたりしたのを覚えてますよね。

悪阻はひどくなかったですか。マタニティブルーになったかもしれませんね。お産は大変だったでしょう。でも乗り越えれば可愛い赤ちゃんに会える。御主人に抱かせてあげられる。御両親に孫の顔を見せられる。その一心で耐えてこられたと思います。

分娩室で生まれた赤ちゃんに口唇口蓋裂があると知らされた時はショックだったと思います。「まさか私の赤ちゃんが?、何故???、何が悪かったの???」・・・と。

私達の息子も口唇口蓋裂です。妊娠20週の頃に産科のお医者様に教えて頂きました。それから出産までの5箇月間、妻とともに準備をしてきました。まず病気について本を買って読み、お医者様の話を聞きました。そして妻と私の身内や親友に少しずつ、赤ちゃんに口唇口蓋裂があることを伝えました。同時に、長期間かかるけれど手術をすれば綺麗に治ること、日本人では500人に1人の比較的高い確率で生まれること、原因はわかっておらず、多くの人が持っている遺伝的要因に他の環境的要素が絡みあって、ほぼ「偶然に」発症すること。そんなことを伝えて、それぞれの両親や兄弟姉妹に時間を掛けて理解してもらいました。

お腹の子に障害があるとわかったとき、自分達の心の準備や、身内の理解を得るためには、長い期間が必要です。その期間がなかったのですから、貴方や御主人がショックを受け、途方に暮れるのは当然です。それでも、貴方は我が子を受け入れ、産後の辛い体で歯を食いしばって頑張っておられます。それだけで十分です。

御両親や義両親も、全く心の準備ができていなくて、ただただ驚いてしまったのです。御主人の御祖母様のように知識と理解がある方ばかりではありません。口唇口蓋裂という何やら恐ろしい字面から、貴方が妊娠中に、何か胎児に影響するようなことをしたのではないかと短絡的に考えてしまったとしても、 しかたのないことだったかもしれません。でも、貴方がそんなことをするはずがないということは、周囲の多くの方が御存知でしょう。

御主人は育児やお子さんの通院を手伝ってくださいますか。貴方のことを気遣ってくれますか。誰か悩みを打ち明けられる方は周りにおられますか。貴方の大事な赤ちゃんを立派に育てるためには、多くの人の助けが必要です。そのために、口唇口蓋裂という病気への理解が拡がることが、とても大切なのです。このブログを書いている大きな理由の一つはそこにあります。

いずれ時間が経てば、最初の驚きも和らいできます。御両親も義両親もお孫さんが可愛くないはずがありません。ただ受け入れるのに時間がかかるのです。御理解のある御祖母様は曾孫に会いたいと心から願われていらっしゃいます。 

私と、このブログを読んでくださっている全ての皆さんが貴方を応援しています。

赤ちゃんの病気について周囲の理解が深まって、少しずつでも貴方の心が軽くなっていくことを願っています。








ばあちゃんに抱かれる息子を気にしていないフリのネコ
昨日の体重は6.7kg。

今日の予定は出産内祝を数箇所に配るくらい。これでほぼ終わりなのだが、ちょっと遅くなってしまったなぁ。

・・・

車で30分弱の叔母さん(私の母の妹)の家に内祝を持って行くと、お孫さん用にクッションを敷き詰めた部屋に、ベビー布団を用意していただいた。息子さんとお嫁さんとお子さんは、近くの海水浴場へ遊びに行って留守だった。

叔母さんの御主人が塵肺で亡くなってから、3年くらい経つが、こうして息子さん夫婦とお孫さんとネコと暮らしているので、寂しくはなさそうだ。

背中撫でてもいいニャ
叔母さんに直接、息子の口唇口蓋裂について説明した記憶はないが、最近はその場で説明するのにも慣れた。もっとも叔母さんは元看護師(ちなみに実の娘も、お嫁さんも看護師)。病気や障害のある子供には慣れている。

帰宅して昼食の後はのんびりタイム。妻と息子は寝室で寝ている。娘は勉強かな。

今週は木曜日に矯正歯科の受診と、土曜日に2回目の予防接種があるくらい。予防接種の日で息子はちょうど生後3箇月だ。この調子でいくとその頃には7.0kg近くになっていそうだ。



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2013年7月27日土曜日

生後86日目 一人旅計画(お姉ちゃん)

一番搾りフローズン生
昨日は中途入社社員の歓迎会。前日まで忘れていて妻に伝えるのが当日の朝になってしまったが、「わかった~。楽しんでね~」という有難い御言葉を賜り(笑、3時間ほど遅い帰宅になった。

妻と娘(と息子)の夕食は、夜10時まで営業している地元のカフェで済ませたらしい。妻と娘で外食する機会は、私の会社の付き合いのときくらい。巨大なパフェを夕食代わりにしたそうだ。私が帰宅した時には、二人してタブレット端末(Nexus7)でソリティアをやって遊んでいた。

お風呂は夜11時になってしまった。体重は6.6kg。最近のウンチは1日おきになっている。肌荒れの部分は痒いみたいなので、メンソレータムADをちょっとだけ塗っている。検索してみると、「メンソレータムADこどもソフト」というのがあるらしいので、妻の手書き買い物リストに記入しておいた。

・・・

昨晩、娘(高校3年生)が日帰りで鹿児島に行きたいらしいと妻が言っていた。どうやら目当てはこれらしい。受験生で忙しいし時間もお金もかかるので、本人もどうしようかなぁ・・・という感じだった。

一夜明けて、妻が「行き方を調べてくれる・・・? 私よくわからないから」と言う。どうやら妻は娘を行かせることに前向きのようだ。私たちの住んでいるところからは鹿児島は結構遠い。

「鹿児島なんて、あたしも行ったことないし、なかなか行く機会はないと思うの」

可愛い子には旅をさせろというし、ここは行かせてみようか。高校に入るまでは在来線で2駅の区間に乗るのも手取り足取り状態だったから、一人旅を経験させるのも悪くない。

今朝、娘に確認してみる。

「往復のチケット代は出してあげるから行ってみたら?」

「う~ん」

迷ってるようだ。

「高校時代しか経験できないことってあるよ。僕もそうだったし」

「うん。行ってみる。ありがとう」

「向こうの駅からのこととか諸々は自分で調べてね。あと、写真を撮ってきてね。鹿児島なんて滅多に行けないから」

「わかった~♪」

安くあげるなら夜行バスという手もあるが、乗車時間が恐ろしく長いので、車に酔いやすい娘は無理だろう。九州新幹線が開通して鹿児島に行くのも便利になっているから、新幹線が無難だ。私が手配するのは往復の新幹線のチケットだけ・・・ってことで、JRのサイトからチケット予約。

実は私も、高校2年生と3年生の時に鹿児島を含め九州を旅したことがある。高校2年生の時はフェリーで九州に渡り、一人自転車で九州を一周。3年生の時は親友と二人、進路が決まった3月に卒業記念として「青春18きっぷ」で九州の路線を乗り継ぐ行き当たりばったりの旅をした。あれはいい経験だったと思う。大人になると、そんな贅沢な時間はなかなかとれない。

旅といっても新幹線の日帰り旅行。今まで超インドア派だった娘には、いろんな所に一人ででかけるきっかけにしてほしい。



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2013年7月26日金曜日

生後85日目 デュオアクティブを小さく

昨晩、またテーピングとデュオアクティブを全て交換した。どうしても少し肌が荒れてしまうので、剥がしてから新しいのを貼るまで少し時間をあける。

 このままお風呂に入れて、ベビー用石鹸で頬を優しくあらってやると超ゴキゲン。そりゃあ、デュオアクティブもスキントーンも無いほうが気持ちいいよねぇ。

風呂から上がってミルクを欲しがるまで、何も付けずに過ごした。新しいデュオアクティブはなるべく小さくなるように工夫したが、もう少し小さくできる余地がある。

・・・
今朝の授乳後に、息子は右頬のデュオアクティブを自分で剥がしてしまった。思い切り小さくカットしたデュオアクティブを貼ってみた。

 ホッツ床のボタンに輪ゴムを掛けていたら、ここまで小さくするのはちょっと無理かもしれない。



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2013年7月25日木曜日

生後84日目 アパート暮らしは・・・

昨日の帰り際、妻に帰宅の時刻を知らせようと電話を取り出すと、先に妻からSNSが入っていた。アパートのすぐ下の部屋の入居者が引っ越したようだ、とのこと。

アパートの下の部屋の住人・・・Aさん一家としておこう。Aさん一家も私達も、新築のアパートに同時期に入居した。2年半ほど前のことだ。

Aさん一家は夫婦と小さな女の子2人の4人家族。鉄骨で補強した木造アパートの構造的な問題だろうが、1階でフローリングの床を走る子供の声と足音が2階に響くのには驚いた。1階の足音が2楷に響くのだから、2階の物音が1階にさらに響くだろうことは容易に想像できたので、なるたけ音を立てないように注意していた。厚手のカーペットを敷き、さらに防音のスリッパを履いた。

しかしいくら私達が静かにしていても、Aさん一家の子供達の騒ぎ様はおさまらない。2年半のあいだに、どうしても耐えられない時だけ、申し訳ないが苦情を入れさせてもらったこともある。それも2~3回だけだ。

この数日間も子供の声と足音が激しい状態だったので、気は乗らないが、妻の疲労もピークだし、静かにさせるように申し入れようと思っていたところだった。おそらく引越しで部屋の中が片付いて広くなったため、子供がはしゃいでいたのだろう。

もしかするとお二人のお子さんのどちらか、または両方が何らかの発達障害ではないかと考えたこともある。それほど長時間、たとえば午前9時頃から午後4時までずっと走り回るということもあった。御主人の怒鳴り声や、奥さんが延々と(一時間くらい)上の子を叱り続ける声まで聞こえてきたので、私達は病院の受診を薦めたほうがよいのではないかと、ちょっと本気で考えていた。

Aさん一家とは引越しの際に話をしたわけではないので、その理由はわからない。 ゴミステーションが天井まで一杯になるほどの大量のゴミを出して、Aさん一家はアパートを出て行った。

1階の次の住人がどんな人になるかは気になるところだ。3LDKの間取りなので、子供2人くらいの比較的若い夫婦が入る可能性が高い。普通の生活音くらいにしてくれるとありがたい。まあ、どんなにうるさくてもAさん一家ほどのことはないだろうが・・・。

息子が生まれる少し前から、私達は近くの戸建中古住宅を探し始めた。見た目や築年数はおいといて、子供が大泣きしたり少々元気に動いても、周囲に迷惑をかけることがないような家があれば、妻もストレスを感じなくて済む。ちょうど、最近流行らない純和風の中古住宅が売りに出されていたので、資料請求をしてみたところだ。

・・・

昨晩の授乳では140ccをすごいスピードで飲み干した。5分かかったかどうか。

そろそろミルクの量を20cc増やそうか。お風呂前の体重は6.5kgだった。




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2013年7月24日水曜日

生後83日目 「彼女たちの出産」を観て

昨晩の食事の後、妻がHDDレコーダで再生したのは「彼女たちの出産~2013 ある母子寮の日々~」というドキュメンタリー番組の録画だった。
茨城県土浦市にあるNPO法人。予期せぬ妊娠をして子どもを産むことになった女性たちが日々の生活に追い込まれてやってくる。NPO法人では彼女たちに無料で母子寮を提供して出産までをサポート。生まれた子どもと不妊に悩む夫婦との特別養子縁組を仲介している。

妊娠8箇月でNPO法人に駆け込んだ20代の一人の女性。風俗店で働くうち、誰だか全く分からないが、客の子供を妊娠してしまう。彼女が風俗店に勤め始めたのは、友人の借金を肩代わりして支払わなければならなくなったためだ(おそらく連帯保証人になったのだろう)。出産したら残った借金を返すため、風俗店に戻るつもりだという。

妊婦検診を受けて出産準備を進めるものの、実感は湧かない様子の女性。母子寮ではルームメイトと共同生活をしながら出産までを過ごす。風俗店勤めの頃とは異なる、規則正しく、ご近所さんや話し相手のいる生活。洗い物をしながら「普通が一番いいですね」と呟く。

やがて陣痛が始まり、女性は約3000gの元気な男児を出産する。しかし我が子をガラス越しに見るだけで、その胸に抱くことはできない。NPOの規則で、子供を抱けるのは母子寮を出て行く時の一度だけだからだ。子供に愛着が湧きすぎるのを防ぐための規則。

女性が退寮する日。親権放棄誓約書にサインしたあと、初めて我が子を抱く女性。抱き方もぎこちない。子供に言いたいことを問われ、「他の子は母児同室でみんなお母さんと一緒なのに・・・、ひとりにしてごめんね」と言って声を詰まらせ、別れの時間が来るまで我が子を抱き続けていた。

故郷に帰るのか、電車に乗った女性。風俗店に戻るつもりはなくなったという。借金は地道に返していく。きついだろうが、これ以上にきついことは無いから・・・と。

女性の子供は、長野県の夫婦に養子として育てられることになった。

・・・こんな感じのドキュメンタリーだった。

新生児の映像を見ると、我が子の誕生のことが思い出されて、いまだに目頭が熱くなる。妻も「こんな可愛い赤ちゃん、手放すなんて無理」と。シングルマザーとして娘を必死で育ててきた彼女には、当然のことだろう。

TVでは新生児の遺棄のニュースが絶えない。 息子を授かるまでの私達のように、不妊・不育に苦しむ夫婦がどんな気持ちでそんなニュースを見ているか分かるだろうか。それを思えば、このNPOを探しだしてやってくる女性の子供はまだ・・・全てが幸せとは言わないかもしれないが、希望がある。願わくば優しい養親の元で元気に育ってほしい。

特別養子縁組の斡旋については多くの意見があるだろう。しかし、こうしたNPOの活動で多くの小さな命が救われているのは事実だ。彼女たちに予期せぬ妊娠をさせてしまったのが、最終的にこの社会のせいならば、こうした命を守り育てていくことも社会の責任ではないだろうか。

・・・

 昨晩のお風呂での体重は6.5kg。電動スウィングラックに乗せていても、暴れて止めるという技を覚えてしまった。



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2013年7月21日日曜日

生後80日目 テープのないお顔

早朝に授乳し、140ccを飲みきったのでスウィングラックで寝かせていたら、右頬のデュオアクティブが剥がれてしまった。テーピングを全て剥がして、右頬を綺麗に拭ってやる。小さな水疱が幾つかできて、滲出液がみられる。ずっと貼り付けているわけだし、このくらいは仕方ないかもしれない。

頬の状態から、ちょっと乾燥させたほうがいいだろうと考えて、次の授乳まで右頬のデュオアクティブは貼らず、したがってテーピングもホッツ床も外して過ごすことにした。


久々に素に近いお顔。

・・・

今日は参議院選挙だ。もちろん妻と投票所に行く。妻は私と結婚する前は選挙には行かなかったという。投票所には息子を抱えていくことになるので、投票は交代で。

今は妻がスーパーから帰って来るのをまっているところ。少し泣いたので、泣きやむまで「ひこうき雲」をかけて寝かしつけた。ジブリ映画の主題歌ということで最近TVからよく流れてくるが、松任谷さんの声だとよく寝てくれる。ちなみに私のアカペラだとギャン泣きになる。。。

・・・

投票の前に、同級生の家にお邪魔して古着を頂いてきた。

同級生のお宅にはもちろん息子も連れてお邪魔した。奥さんは気さくな女性なので、妻とも自然に会話が弾む。

このあと投票して帰ってきた。午後はゆっくり休むことにしよう。




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2013年7月20日土曜日

生後79日目 妊婦の悩みを聞く御主人に

妊婦は情緒不安定なものだ。

妻の場合は激しい悪阻だったので、二人で居るときに泣かれたことも2度や3度ではない。そして、胎児診断で口唇口蓋裂と診断されてから出産するまで5箇月もあったから、確かに準備期間はしっかりとれたが、不安になる時間もたっぷりあったわけだ。私の知らない所でもつわりの苦しさや不安で泣いていたかもしれない。

胎児に何らかの障害があると判った場合、それから出産するまでの間、普通の妊婦さんが抱える不安の何倍もの不安を感じながら過ごすことになる。訳もなく涙が出たり、眠れなかったり、後ろ向きな事を言ってみたり、果ては妊娠しなければ、この子さえいなければ・・・とまで思ってしまう。

妊婦さんがそんな様子を見せた時、御主人をはじめ周囲の方々にお願いしたいことがある。

まず、共感してほしい。

「妊娠したことを喜べなくなっちゃったんだね」

「この子のお顔のことが心配なんだね」

「生まれた子を受け入れられるかどうか、分からないんだよね」
 「イジメられたりしないか、心配なんだよね」

妊婦さんはいっぱいいっぱいの状態で、悩みを御主人に打ち明けている。内容がまとまっていなくて当たり前。矛盾があったり、御主人がイラっとするようなこともあるだろう。それは仕方のないことだ。「口唇口蓋裂は治る」「皆がサポートしてくれる」と理屈では分かっていても、心がそれについていかなくて悩んでいるので、そんな悩みに対していきなり論理的に納得させようとしても無意味だ。「そんなことは分かってる!」と言われるだけ。

妊婦さんが御主人に望んでいることは、「私の気持ちをわかってほしい」ということ。だから、奥さんの悩みを聞いて、オウム返しでも良いから、共感の気持ちを言葉にして返してあげてほしい。そして、そんな気持ちになることは当然で、悪いことではないと伝えてあげてほしい。

そして御主人には、「(口唇口蓋裂があっても)問題ない。生まれるのを楽しみにしている」という一貫した態度を取っていただきたい。もちろん御主人も不安に思うには違いないだろうが、妊婦さんが感じている不安はその何十倍もの大きさだ。ここでしっかりサポートできれば、妊婦さんのストレスが緩和され、胎児の発育にも良い。機会をとらえて奥さんに話しかけ、その気持ちを知り共感する努力をしてほしい。

・・・

昨晩の体重も6.3kg。左頬のデュオアクティブを剥がし、ほとんどテーピングをしていない状態で入浴した。たぶん初めて、左頬をお風呂で優しく洗うことができた。そのうち右頬も洗ってあげるからね。

今日は地元のクリニックで、2回目の予防接種の予約をしようと思う。




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2013年7月18日木曜日

生後77日目 口唇口蓋裂の治療費

出産予定のお子さんが口唇口蓋裂と診断されたお母様は、我が子を受け入れることができるかどうか、そして哺乳ができるかどうかが心配になると思う。

赤ちゃんのお顔に関しては、生まれてすぐに可愛い!と思えることもあれば、受け入れるのに多少時間がかかることもある。これは出産までの経緯も関係するので一概にどれくらいの時間と言えないが、必ず心から可愛いと感じるようになる。

哺乳に関してはお産をした病院・助産院によっても考え方が異なると思うが、哺乳瓶で与えていると程度の差こそあるが潰瘍ができてしまうと思う。そうなれば一旦チューブを胃まで入れて、シリンジでミルクを直接送り込むことになる。ホッツ床を装着すれば哺乳瓶で与えても潰瘍の心配はほとんど無くなるので、チューブはそれまでのことだ。

息子の場合、ここからは月に1回程度の形成外科受診と1~3週間ごとの矯正歯科受診を続けている。

これから出産される方がもう一つ気になることは、医療費のことだろう。息子の場合は生まれた時点で口唇口蓋裂へのケアが必要なこと、退院が遅れたこともあって、退院時の医療費の精算では10万円弱の支払いとなった。その後の形成外科・矯正歯科での医療費は400~4000円の範囲だったが、市町村が乳幼児の医療費の自己負担分を助成してくれる「こども医療費助成制度」のおかげで、子ども医療費受給者証の交付後は無料だ。その前に支払っている分についても市の窓口で申請することで返還される。対象となるのは保険診療の自己負担分なので、例えば差額ベッド代などは対象外になる。

子ども医療費の助成制度は市町村によって対象年齢と助成範囲が異なるが、対象年齢は小学校入学までだったり、小学校卒業、あるいは中学校卒業までというところもある。口唇裂の手術は3箇月くらい、口蓋裂の手術は1歳6箇月くらい。外鼻の修正手術が必要な場合5~6歳。小学校のうちに顎への骨移植。その後は状態によって形成外科・矯正歯科の治療がおよそ18歳くらいまで続く。助成期間が小学校入学までの場合なら口唇裂・口蓋裂の手術までは無料、その後は育成医療制度により、18歳まで自己負担は1割で済む。

医療費は助成のおかげでほとんどかからないので、あとは間接費用だ。通院が頻繁になるので、まず交通費がかかるだろう。都心の病院の場合は駐車場も有料だったりするので、事前に確認しておきたい。手術時にはお母様の付き添いで入院することになるから、部屋代や食事代がかかってくる。病院によって異なるだろうから、事前の説明をしっかり聞いて準備が必要だ。

・・・

昨日の体重は6.3kg。ちなみに昨日はウンチが出ていない。入浴前に「の」の字マッサージしたが効果なし(^^;;

・・・

夕食後、妻はクリーニング出しと買い物に出かけていった。私と息子はお留守番。帰ってきた妻は沢山アイスクリームを買っていた。思いがけずスーパーの会員カードでポイントが600円分以上貯まっていたそうで、かなり上機嫌だ。



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